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鍔山英次

野川の行方(洪水を防ぐ?)






改修前の自然な岸辺

改修前の自然な岸辺
 護岸工事が開始される前の様子。
 豊かな自然か残り、みんなに親しまれていた大事な空間だっただけに、失われてみてはじめて、そのよさに気づく。
 スイスでは川の自然な姿を少しでも残そうと、河川改修には生物学者も参画しているという。
 1990年11月、建設省より多自然型工法を推進するよう通達が出されたが、魚や虫がすみ、鳥か飛来するようなエコロジーの視点に立った水辺づくりが実現するよう、市民サイドからも推進していきたい。


第一調節池のコンクリート護岸

第一調節池のコンクリート護岸
 洪水時に水が越流して入り込んでくる部分は、味気ないコンクリートで固められ、スケートボードを楽しむ若者たちの遊ぴ場になっている。
 その向こうを野川が流れている。
 後方は、都立武蔵野公園。
 第一調節池は野川の治水対策としてつくられたものだが、50mm/hの大雨が降ったときにも水は入っていない。
 いつ、どのくらい水が入るか、大雨時には多くの市民が駆けつけるほど注目を集めているところ。



 第一調節池に続いて、その上流につくられた第二調節池。
 川底を掘り返し、水際には丸太の形をしたプロックを打ち込み、堤防はコンクリートで固めてしまった。
 これでは、水際で虫や魚か卵をかえすこともできないと、河川工事に対する批判の声が急速に高まり、河川の護岸のあり方を探る「エコロジカル野川実行委員会」が生まれるきっかけともなった。
 工事の途中で、市民からの自然景観を残してほしいとの要望を入れて、片岸だけ石畳をはがしたが、水際の生き物への配慮はなされていない。
第二調節池のコンクリート護岸

第二調節池のコンクリート護岸



第二調節池から望む

第二調節池から望む
 秋から春にかけて、湧水より周囲の気温が下がると、川霧が発生する。川霧は野川を覆うように広がり、朝日が昇ると消える。ただこの川霧、発生することがなくなって久しいという。
 遠くに見える煙は二枚橋のゴミ焼却場。二枚橋焼却場は、小金井・調布・府中3市のゴミを焼却している。



湿原になった第二調節池

湿原になった第二調節池
 調節池の中は、一時湧氷がたまって湿地帯をつくり、草原になった。
 これだけ多くのスズメが群れているのは、生息に適した環境といえるだろう。
 スズメは昔から人里に近いところにすんでおり、そのさえずりは、まるておしゃべりのような、心なごむ光景である。


この写真は創林社刊「生きている野川」「湧水探訪 深大寺」より鍔山英次氏の許可を得て転載しました。



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